NISAは大変便利な制度ではありますが、実はその内容全てにおいてお得というわけではありません。何事にも良い面と悪い面があるように、NISAにも両方の特徴があります。
NISAを正しく活用していくためには、メリット・デメリットをちゃんと理解しておくことが大事です。
NISAのメリット・デメリットとは
まずはここで、簡単にまとめておきます。
メリット
- 税金が免除される
デメリット
- 運用限度額が少額
- 期間が限られている
- 他口座との損益計算に適用できない
NISAのメリット
NISAのメリットはなんと言っても税金の免除です。投資信託に限らず、投資を行えばその利益には必ず20%(2014年10月現在)の税金がかかります。それが、NISAで運用すれば免除されます。
税金が免除されるのは収益性に大きい影響を与えるだけでなく、複利の効果も増大させます。
NISAのデメリット
- 運用限度額が少額
NISAでは年間に適用対象となる運用限度額は100万円と少額になっています。そのため、大きく稼ぐために活用するというよりは、投資初心者の方が安心して利用するのに適しています。
ただ、1年間の間に適用される購入額が100万円であって、一旦購入してしまえばその100万円分に関しては、5年間の運用まで制度が適用できます。つまり、1年間に最大で500万円まで免税が可能となるのです。
- 期間が限られている
現行のNISA制度は金融庁が定めたトライアルのため、2023年までが口座開設可能な期間となっています。
この期間については今後の展開次第で延長または新NISA制度という形で現れる可能性もあります。
- 他口座との損益計算に適用できない
通常、一般口座・特定口座のにかかわらず毎年損益計算が行われ、年間の収益具合によって一旦払った税金も返ってくる場合があります。また、この損益通算の制度は最大で3年間の期間で行うことができるため、ある年に大損した場合は、以降2年の税金を抑えられる可能性が高いです。
しかし、NISA口座を利用して損益が出た場合は、この損益通算の制度を適用できません。そのため、年間で損益が出ても他口座と合算することができないのです。
また、上記のような理由から、株式売買の際には塩漬け株(株価が下がったまま放置された株)が生まれやすくなります。投資信託の場合には、基準価額変動に振り回される必要はあまりないので、あまりにも高値のときに買いさえしなければ問題ないとも言えます。